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感性や美意識の世界は、日本人にとっては入りやすい領域だと、Iさんは感じている。
そして、彼女がニューヨークに求めたのは、やはり「刺激」である。
MSMで作曲科のマスターコースは13人。
ロシア、ドイツ、イギリス、韓国からの留学生もいる。
驚くのは、学部や仕事ではまったく畑違いの、理科系や文学をやっていたのに、大学院から作曲を専攻している人が結構いること。
さまざまなバックグラウンドや民族性を持った学生や先生たちによって、教室で得られる刺激だけでもここは恵まれている。
あと、学生が作品を発表するための、学内でのコンサートの機会も、日本より非常に多く設定されている。
そして、街で開かれるコンサートの質と量、値段を考えると、環境は段違いだ。
大学や寮から地下鉄で15分も行けばCホールやRセンターがあり、実はいちばん音のよい、後ろの上の席が15ドルくらいで、たいてい当日でも手に入る。
そのうえ、音大生には学割や無料招待などあらゆる特典がある。
ジャズクラブもCDも、豊富で安いし……あとは説明がむずかしいが、世界中のものが集まり常に新しいものが生み出されているような、ニューヨークという街自体のもつ刺激と魅力、ということだろうか。
具体的に、ここに来たきっかけや準備のことだが、すでに日本で作曲科1年生のとき、J音楽院のサマースクールに来て、雰囲気をつかんでいた。
受験は楽譜審査の後、面接と筆記がある。
1年前から、提出する曲(5〜6曲必要)の準備を始めた。
聴音や楽理は、日本で音大を出た人なら簡単なはず。
面接はもちろん英語だが、面接宮と1対1で、自分の作った曲について説明する。
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